若宮稲荷神社 竹ン芸

 今日、10月15日は、昨日から行われている秋の大祭行事「若宮くんち」に 奉納される

「竹ン芸」(無形民族文化財)が見られるとあって出かけてみた。

 若宮稲荷神社を訪れるには足に自信のある方は、長崎市の思案橋から東に鍛冶屋町・寺町を進み日本  最古の黄檗宗(おうばくしゅう)の寺院である興福寺(龍馬伝、解夏の撮影でも有名)を抜け伊良林町の光源寺(産女の幽霊民話で有名)を過ぎるとお目当ての「若宮稲荷神社」の第一鳥居が見えてくる。

ここからは上り坂で沢山の赤い鳥居を潜りながら山手の本殿境内へと歩く。(思案橋から約1.4㎞)

 

この界隈は「さだまさし」の「紫陽花の詩」の2番の歌詞にも歌われ、 江戸・幕末には、「亀山社中」の若き志士達が日本の夜明けを目指して、寺町から伊良林町の山手へと続く階段を駆け上がったのではないだろうか!?

 長崎の抒情性を今も残しておりぶらりと歩きたい美しい界隈である。

 さて、境内はお目当ての「竹ン芸」が奉納されるとあって数百人の観衆でいっぱいである。

 

竹ン芸」は、男狐・女狐の面をつけた白装束の狐人2人が、高さ10m余りの2本の青竹を使って天空で舞い踊るまさに空中曲芸である。神社の使いである男狐・女狐が若宮神社の御神徳をよろこんで裏の竹藪で遊ぶ姿を模したこの曲芸の起源は中国伝来の羅漢踊りであると言われている。 文政年(1820)、初めて八百屋町が諏訪神社に奉納(長崎くんち)したのがはじまりといわれ、国選択無形民俗文化財(市無形民俗文化財)に指定されている。


 笛・太鼓・三味線の囃子にあわせて観客の手拍子、「よいしょ」の掛け声で男狐は勇壮に女狐は妖艶さを漂わせながら、二匹は空中で絡み合い、そして動きはますますリズミカルになり

10mの天空上でユラリユラリと竹を揺する。竹は振り子のようにしなり、揺れるたびに集まった観客から歓声があがる。その刹那、男狐は10mの天空で、もう本の竹へ飛び移る。

また喝采である。

 男狐は空中遊泳を楽しみながら、観客に縁起餅・手拭いを振る舞い、懐に潜ませたニワトリを宙に放すところはまさに「狐につままれ」、圧巻である。

縁起ものの手拭いを幸運にもキャッチしました。

   毎年10月14日,15日に1日2~3回奉納されるので是非足を運んで頂きたい。