「心田庵」へ行く

(しん)(でん)(あん)と聞いて長崎人でも「それ蕎麦屋さん?、知らない・・」という人は多いしょう私も噂には聞くが行ったことが無いその一人であり今回仲間と一緒に訪れることとしました。

そもそも心田庵とは、平成25年に民間から長崎市に寄贈され市の文化遺産に指定されるまで一般公開されず、3年前からやっと春の新緑、秋の紅葉の20日間程度だけ一般公開されるという余り観光化されていない史跡です。 

 心田庵は、江戸時代初期に唐通事(通訳)であった何兆普(がちょうしん)(父は帰化唐人・母は日本人)が、別荘として茅葺き屋根をもつ純和式の由緒ある茶室と回遊式の日本庭園を作ったものです。

場所は、長崎大学経済学部裏通りのひっそりとした町中にあり、案内標識はあるものの狭い路地裏、「一瞬道を間違えたかな」と不安を覚えながら歩くと目の前に、なだらかな上り坂の敷き石段、その先に「茅葺き門」が迎えてくれます。

敷地内に入ると日本人の郷愁を誘う古民家風の茅葺き屋根の建物や、和室内の天井や床の間などの細やかな装飾や、部屋から美しい庭園が望めます。秋になると庭園の紅葉が鮮やかになると聞いていましたが、今年は暖かい秋で残念でした。


 回遊式の庭園内を散策すると高台に東屋があり長崎市内も一望でき素晴らしいです。茶室では、優雅にお茶を点てていただきとても満足でした。長崎にいながら京都の風情を楽しむそんな雰囲気も併せ持っています。


 1年に僅かな期間の開催、春の新緑は長崎の薫風を、秋の紅葉は長崎の錦絵を「心田庵」で贅沢なひとときを楽しむのは如何でしょう。

心田庵の名前の由来:「何兆晋の心の田畑はとても広大で、まさに子が種をまき、孫が耕すごとく、心の宝である」ひとは地位や名誉、財産などよりも、心の田畑を耕すことが最も大切であるとの意味から名付けられたそうです。 

 

【問合わせ】 長崎市文化財課 電話095-829-1193