美しい日本の山

山は風景の一部であるが、日本は山国であるので山を語る事は日本の風景を語る事にもなろう。

 私の好きな宮沢賢治は驚くほど多くの山に登っている。彼は草木や動物と会話出来たとされている。つまり彼は自然と会話したのでありで彼の芸術は自然を抜きにしては語れないのである。

彼は夭折してその才能が惜しまれたが自然と共ににあった事はせめてもの幸せであったと思う。

 私は阿蘇や九重方面へは数え切れないほど出向いたが、ここは寒冷地の雰囲気があり、賢治の童話の舞台に似ていると思う。冬の雪景色、春の新緑、秋の紅葉などはのびやかな高原の風景と相まって美しい。

 

雪景色は別世界の趣があり、春の新緑は葉っぱの厚みが薄いものが多いので透明感があり、秋の紅葉は柔らかく幾重にも重なり広がっている。

 又私はいろんな国の海外トレッキングに出掛けたが、山容は雄大で圧倒される。それに比べて日本の山には湿潤な四季があるので他国には見られない美しい自然がある。 

日本の美しい山には北アルプス等があるが、夏山の一般ルートは比較的に安全に登る事ができる。白く輝く雪渓、天空の絨毯を思わせるお花畑、ダイナミックな岩稜、真っ青な空、ボリュームのある山塊、広大な草原、高層湿原の水芭蕉などが咲く池塘ちとう、雪解け水にイワナの棲む渓流そして清純な流れの上高地の梓川などは本当に別天地である。

 日本アルプスを低地で観賞するためには春の連休位までに長野県などに出掛けるのも一策であろう。冠雪の山岳風景は殊に美しい。                          By Ginga taro