2つの坂本龍馬像

江戸時代末期の志士、土佐藩郷土、坂本龍馬は脱藩した後は、志士として活動し、長崎に日本で最初に貿易会社と政治組織を兼ねた「亀山社中」を結成したことで知られている。

 彼の銅像は全国の有志から寄せられた資金で、平成元年、亀山社中跡に近い風頭公園に『坂本龍馬之像』が建立された。

当時の世界との窓口となっていた長崎港を見渡す丘の上に威風堂々と腕組みして立ち、日本の未来と平和を希求するかのような姿が印象的である。

この龍馬像は実像に最も近いと言われている。風頭公園は春には桜が咲き誇り市民の憩いの場でもある。

坂本龍馬像(風頭公園)
坂本龍馬像(風頭公園)
長崎港を眼下に望む
長崎港を眼下に望む

 もう1つの銅像は、平成21年に自治会及び有志によって「丸山公園」の中に建立されている。風頭公園の坂本龍馬像から窺えるのは「日本を今一度洗濯し候」と大志を抱いた姿であるが、「丸山公園」の坂本龍馬像は、物腰が柔らかく、懐にはピストル、右手には懐中時計、そしてお馴染みブーツと花街丸山をこれから闊歩し料亭「花月」にでも遊んで行こうかといった遊び人の風情がある。

坂本龍馬像(丸山公園)
坂本龍馬像(丸山公園)
料亭花月
料亭花月

 非常に2つの銅像は対比的であるが、それぞれが龍馬の魅力を表現していると感じられる。

幕末から明治維新の激動の中、多くの志士と異人が長崎の風を感じながらこの界隈を闊歩したことだろう。

 長崎市内には、坂本龍馬とのゆかりの地が多いのか、現在大小6体の坂本龍馬像があると言われている。その中でも「風頭と丸山」公園をまずは訪れては如何でしょう。